新築一戸建ての断熱性能はUA値とηAC値の両方で確認

知識

大場 優

筆者 大場 優

不動産キャリア12年

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「この家、なんだか足元が冷えますね…」

冬に新築一戸建てをご案内していると、奥様のほうが先にそうおっしゃって、早めに玄関へ戻ってしまうことがあります。ご主人はもう少し間取りを見ていたいのに、寒くて長くはいられないといった場面を、これまで何度も見てきました。

 

横浜市旭区で新築一戸建てを検討されている方から、断熱性能はどこまで気にするべきですか、というご質問をよくいただきます。夏は強い日差しと蒸し暑さ、冬は冷え込みと底冷え。その両方を感じるエリアだからこその疑問だと思います。

 

先に、私の答えをお伝えします。旭区で家を選ぶなら、冬の暖房効率だけでなく、夏の冷房負荷まで含めて断熱を考えたほうがよい、というのが私の考えです。

 

私はもともと大手の注文住宅メーカーで営業をしていた時期があり、そこで建物の中身について知識を深めました。仲介という立場になった今も、間取りや価格と同じくらい建物の性能の話を先にさせていただくのは、そのときの経験が残っているからだと思います。

 


旭区の断熱を、夏と冬の両方で考える理由


実はこのエリアは寒さそのものよりも、気温差の大きさが数字に表れます。

 

気象庁が公表している横浜の平年値(19912020年の観測値にもとづく平年値、20215月使用開始)を見ると、年平均気温は16.2度です。月ごとでは1月の平均気温が6.1度、8月が27.0度で、その差はおよそ21度。8月の日最高気温の平均は31.0度になります。

 

つまり旭区が位置するエリアは、年間を通して比較的温暖で、厳しい寒さが何か月も続く地域ではありません。その一方で、季節ごとの寒暖差や一日の中の気温差が大きいという特徴があります。

 

冬は冷え込みを感じる一方で、夏は高温に加えて日射や湿度の影響で室内が暑くなりやすいため、寒い時期と暑い時期の、両方に備える必要があるということです。

 

だからこそ、旭区で新築一戸建てを計画するときの断熱性能は、冬の暖房効率だけの話ではなくなります。屋根や外壁、窓などの開口部から出入りする熱を減らせれば、室内の温度変化がおだやかになり、快適さと光熱費の両面で効いてきます。

 

同じ旭区の中でも、区画の向きや前面道路の方角によって、日の入り方はずいぶん変わります。私が内覧に同行するとき、周辺環境や日当たりまで一緒に確認するようにしているのは、そのためです。

 

UA値とηAC値、2つの数字の読み方

ここで、覚えておいていただきたい数字が2つあります。名前はむずかしそうですが、意味はシンプルです。

 

UA値とは、外皮平均熱貫流率と呼ばれるもので、外壁や屋根、床、窓など家全体からどれだけ熱が出入りしやすいかを表した数値のことです。値が小さいほど、熱が逃げにくく入りにくい家ということになります。

 

もうひとつがηAC値です。ηAC値とは、冷房期の平均日射熱取得率を指し、夏の冷房期間に窓などからどの程度の日射熱を取り込むかを示した数値のことです。こちらも値が小さいほど、日射による室温の上昇を抑えやすくなります。

 

UA値は冬の暖かさに、ηAC値は夏の涼しさに関わってきます。ざっくりとそう覚えていただくだけでも、物件の見え方は変わってくると思います。

 

この2つは、国の省エネルギー基準や住宅性能表示制度で用いられている指標で、建築物省エネ法にもとづく外皮性能の評価項目として位置付けられています。企業が独自につけた宣伝用の数字ではありません。

 

そして大切なのは、どちらも新築一戸建ての図面や評価書などで確認できるということです。感覚や印象ではなく、書類で確かめられる。ここが、断熱の話がほかの条件と少し違うところだと私は思っています。

 

断熱が足りない家で、冬と夏に起きること


数字の話が続いたので、暮らしの話に戻します。

 

断熱性能が十分でない家では、冬は暖房をつけても足元や窓際が冷えやすくなります。家全体の温度差も大きくなり、その分だけ暖房費もかさみます。

 

夏は逆に、屋根や窓から入ってくる日射熱によって室内が高温になりやすくなります。冷房の設定温度を下げざるを得ず、電気代の負担も、体への負担も増えていきます。

 

冒頭でお話しした「足元が冷える」という感覚は、冬の内見でしか確かめられない、数少ない体感のチェックポイントです。

 

旭区の白根エリアで新築をご購入いただいた30代のご夫婦、Iさまは、それまでにも何件か新築戸建てを内覧されていました。冬の内見が多く、そのたびに奥様が「足元が寒い」とおっしゃって、早めに切り上げていたそうです。

 

ところが、当社でご案内した物件は「足元も明らかに冷たくなく」、奥様も長時間の内見を楽しそうにされていた、と振り返っていらっしゃいます。それまで等級のことは気にしていなかったけれど、話を聞いて納得して購入できた、とも言っていただきました。

 

同じ新築でも、体で感じ取れるくらいの違いが出ることがある。この仕事のなかで、私が何度も確かめてきたことです。

 

私が内見のときに一緒に確認していること


では、実際に見学へ行くときは何を見ればよいのか。私がお客様と一緒に確認しているのは、大きく3つです。

 

1つめは、図面や評価書に書かれているUA値とηAC値です。その場でわからなければ、私から売主や販売会社に確認します。数字がすぐに出てくる物件かどうかも、ひとつの手がかりになります。

 

2つめは、窓まわりです。熱の出入りが集中するのは開口部ですから、窓の位置や大きさ、向きは、間取りの好みとは切り離して見ておいたほうがよいと思います。

 

3つめは、日当たりと周辺環境です。夏の日射をどう受ける家なのかは、図面だけでは見えません。そのため現地で、一緒に確かめます。

 

物件探しを始めたばかりの方の多くは、デザインや間取りから入られます。それ自体はとても自然なことですが、私は先に性能を見ておくことをお勧めしています。

 

以前ご相談くださったご家族も、探し始めた頃は性能を気にせず、デザインを重視されていました。耐震性など性能の話をお伝えするうちに、どうせなら性能の高い物件を選ぼうというご家族の結論になり、納得して購入されました。

 

私は、物件価格以外にかかる諸費用を、最初のご相談の場ですべてお伝えするようにしているのですが、これは性能についても同じで、あとから「聞いていなかった」と思われることだけは避けたいと思っています。

 

すぐ申し込みたいとおっしゃっていた新築戸建てについて、念のため周辺環境を調べたところ過去に浸水履歴があるとわかり、今回は見送ってはいかがでしょうかとお伝えしたこともあります。買っていただくことよりも、住んでから後悔されないことのほうが大事だと思っています。

 

ONE FINITAS株式会社では、月にお受けする件数をあえて絞ることで、一件ごとにこうした確認の時間をきちんと取るようにしています。

 

断熱の見方については、当社サイトのコラムでも整理しています(//onefinitas-estate.jp/blog/entry-835424/)。

 

 

まとめ


断熱性能は、書類の数字で確かめられて、しかも住んでからの毎日に直結する、めずらしい条件だと思います。迷ったときは、数字と現地の両方で確かめていただきたいと私は思っています。

 

・これからマイホームの購入を検討していて、断熱性能が気になっている方

・横浜市旭区や横浜市内で、新築一戸建てを探している方

・図面や評価書の見方がわからず、何を基準に選べばよいか迷っている方

 

お問い合わせはこちらからどうぞ。 //onefinitas-estate.jp/contact/