横浜市の新築一戸建ては長期優良住宅で選ぶ|耐震・省エネの基準と税の優遇

「せっかく買うなら長く住める家がいい。でも、何を基準に選べばいいのか分からない」。横浜市で新築一戸建てを探し始めた方から、こうしたお声をよくききます。間取りや価格は見比べやすくても、家が長持ちするかどうかは、内覧だけではなかなか見えてきませんよね。
私がまずお伝えしているのは、「長期優良住宅」という物差しを持って物件を見ていただくことです。
長期優良住宅は、耐震性や省エネ性、維持管理のしやすさについて行政の認定を受けた住宅です。横浜市では、固定資産税の減額期間も一般の新築住宅より長く設けられています。
ただし、認定があれば何でも安心、というわけではありません。制度の中身と、ご家族の資金計画の両方を見て判断することが大切です。このコラムでは、その考え方を順にお伝えいたします。
長期優良住宅とは、長く使うことを前提にした家
「長期優良住宅」という言葉を、物件情報で目にしたことがある方も多いと思います。ここ最近私がご紹介している新築一戸建てにも、長期優良住宅の認定を受けた物件が少なくありません。
長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」にもとづき、長く良好な状態で使い続けるための措置が講じられた住宅として、所管行政庁の認定を受けた住宅のことです。この法律は2009年6月に施行され、住宅を長く大切に使う社会へ移行するための仕組みとして創設されました(出典:横浜市「長期優良住宅
制度の概要」、2026年9月確認)。
国土交通省の資料では、劣化対策や耐震性、省エネルギー性能、居住環境への配慮、維持保全計画などを総合的に評価する制度と整理されています(出典:国土交通省「長期優良住宅制度の現状」)。
私はワンフィニタス株式会社を立ち上げる前、大手注文住宅メーカーの営業職として建物の知識を深めてきましたが、その頃から変わらず感じているのは、住まいは人生に大きく関わるものだということです。だからこそ、引き渡しの日の見た目だけでなく、その後の長い暮らしまで見据えて選んでいただきたいと思っています。
認定基準は耐震・省エネ・維持管理の3本柱
内覧では、キッチンや壁紙など目に見える部分に気持ちが向きがちだと思います。ですが、長く住む家で確かめていただきたいのは、壁の中や床下など普段は見えない部分です。
1つ目は、地震に強い構造です。建築基準法の水準を上回る耐震性が求められ、住宅性能表示制度の耐震等級でいえば「等級2以上」がひとつの目安になります。
2つ目は、省エネルギー性です。断熱等性能等級5、かつ一次エネルギー消費量等級6の水準を満たすことが求められます。これは、冷暖房に過度に頼らず快適に過ごすための基準です。
3つ目は、長い年月を見据えた劣化対策と維持管理のしやすさです。構造躯体の劣化対策等級3や、配管の点検・交換のしやすさを示す維持管理対策等級3に加えて、点検や修繕の計画である「維持保全計画」を立てることが求められます(出典:国土交通省および各所管行政庁が公表する認定基準の概要、2026年9月確認)。
断熱性能の違いは、数字以上に体感として表れるものです。冬に新築一戸建てをご案内していると、奥様が足元の冷えを気にされて、早めに玄関へ戻られる場面を何度も見てきました。当社にご相談くださり、旭区で新築5LDKをご購入された30代のご夫婦からは、「それまで等級などは気にしていなかったのですが高橋さんのお話も聞き納得して購入することができました」というお声をいただいています。
また、等級の意味をひとつずつ一緒に確認していくと、選ぶ基準がはっきりしてきます。断熱性能の見方については別のコラムでも詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください(https://onefinitas-estate.jp/blog/entry-855869/)。
もうひとつお伝えしておきたいのが、認定を受けた住宅は、完成後も維持保全計画にもとづく点検などが求められるという点です(出典:住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅認定制度の技術基準の概要」)。「買ったら終わり」ではなく、住みながら手をかけていく家だということです。私が引き渡し後もご相談いただける関係を大切にしているのも、そのためです。
横浜市の固定資産税減額は建築時期で要件が変わる
ここからは、お金の話になりますが、長期優良住宅には、所得税・固定資産税・登録免許税・不動産取得税の軽減措置があります(出典:国土交通省「認定長期優良住宅を取得したときに利用できる減税制度」)。今回はその中から、毎年かかる固定資産税に絞ってご説明します。
横浜市では、認定長期優良住宅として新築された住宅について、家屋の固定資産税を120㎡相当分まで2分の1に減額する制度があります。減額期間は、3階建て以上の準耐火構造・耐火構造の住宅で7年間、それ以外の一般的な住宅で5年間です。一般の新築住宅よりも減額期間が長く設けられている点が特徴です。
2026年4月1日以降に新築された住宅の場合、居住部分の床面積が40㎡以上240㎡以下であること、店舗兼住宅などの併用住宅では居住部分が全体の2分の1以上であること、2031年3月31日までに新築された認定長期優良住宅であることが主な要件です。
あわせて、新たに固定資産税がかかる年の1月31日までに、認定通知書の写しを添えて区役所の税務課へ申告する必要があります(出典:横浜市「新築された認定長期優良住宅に係る固定資産税の減額制度」、2026年9月24日更新)。
ここで気をつけたいのが建築時期による違いです。2026年3月31日までに新築された住宅は、床面積の要件が50㎡以上280㎡以下で、都市計画税もあわせて減額される横浜市独自の措置の対象でした。一方、2026年4月1日以降に新築された住宅では、認定長期優良住宅であることだけでは都市計画税は減額されません。
代わりに、断熱等性能等級6以上の「高断熱住宅」に当たる場合、別の制度で都市計画税が2分の1(一般的な住宅で3年間)減額されます。長期優良住宅がこちらにも当たる場合は、2つの制度それぞれに申告が必要です(出典:横浜市「高断熱住宅に係る都市計画税の減額」、2026年9月確認)。
新築建売は完成時期が物件ごとに異なるため、比べるときは建築時期・床面積・断熱等級をセットで確認しておくと安心です。
FPとしてもうひとつお伝えしたいのは、減額期間が終われば本来の税額に戻るということです。私は、家を買った後に毎年かかるお金まで並べてはじめて「この家でいいのか」が判断できると考えていますので、減額後の税額も含めて、無理のない資金計画を立てておきましょう。
税の優遇は上積み。認定だけで決めない理由
「長期優良住宅なら間違いない」と感じた方もいるかもしれません。ただ、私はもう一歩踏み込んで考えていただきたいと思っています。
私の考えでは、税の優遇や補助金は、あくまで上積みです。制度の内容は数年ごとに変わりますし、減額分を当てにして予算を広げると、返済とのバランスが崩れることもあります。まずは物件価格に諸費用を加えた総額で資金計画を固め、そのうえで優遇を上乗せして考えるのが順番です。私が最初のご相談の場で諸費用をすべてお示ししているのも、総額で考えていただきたいからです。
もうひとつは、建物の性能だけでなく、土地や周辺環境もあわせて見ることです。以前、「すぐ申し込みたい」とご相談いただいた新築一戸建てについて周辺環境を調べたところ、過去に浸水履歴があり、ハザードマップでも注意区域に該当していることが分かりました。
長く住むご自宅としてのリスクをお伝えし、そのときは見送りをご提案しました。後日、別のエリアで住まいを見つけられたお客様からは「正直に教えてくれてよかった」と言っていただきました。
近年は物価高の影響もあり、住まいの取得そのものに不安を抱えてご相談にいらっしゃる方が増えています。行政での相談対応に関わってきた経験からも、もう少し早く情報が届いていればと感じる場面は少なくありません。長期優良住宅の制度も、そうした情報のひとつです。
当社では、月にお受けする件数をあえて絞り、ヒアリングを重ねて、ご家族が本当に求めている条件を整理したうえで、納得いただける物件に絞ってご提案しています。性能、立地、予算のどれを優先するかは、ご家族ごとに違っていてよいのです。
長く安心して暮らせる家は、認定という客観的な物差しと、ご家族それぞれの資金計画の両方がそろってはじめて見えてきます。
まとめ
長期優良住宅は長く住むための心強い物差しですが、最後に家を選ぶ決め手は、ご家族の暮らしと資金計画に合っているかどうかだと私は考えています。
・これからマイホーム購入を検討していて、長く住める家を探している方
・気になる新築一戸建てで、横浜市の税の優遇が使えるか確認したい方
・建物の性能と予算のバランスをどう取るか迷っている方
お問い合わせはこちら:https://onefinitas-estate.jp/contact/
