新築一戸建ての購入前に知っておきたい、断熱等級の意味と確認の大切さ

豆知識


 

新築一戸建ての購入を考え始めると、間取りや立地、価格といった目に見える条件に意識が向きやすいものです。ところが物件の資料を見比べているうちに「断熱等級」という言葉が目に入り、これは何を示しているのか、数字がいくつであればよいのかと疑問に思われる方も少なくないのではないでしょうか。断熱性能は内覧で目にする部分ではないぶん、どこまで重視すべきなのか判断がつきにくい項目かもしれません。

 

「新築一戸建てを購入する際に断熱等級はどのくらい重要なのか」というご質問は、私が不動産のご相談を受けるなかでよくいただくもののひとつです。今回はこの質問にお答えしながら、住まい選びの際に押さえておいていただきたい考え方をお伝えします。


 【目次】

断熱等級は、住宅の断熱性能を数字で示す指標


断熱等級の正式名称は断熱等性能等級といい、その住宅の断熱性能がどのくらいかを示すものです。国土交通省が制定した住宅の品質確保の促進等に関する法律、いわゆる品確法において設けられた等級で、1から7までの7段階に分かれており、数字が大きいほど断熱性が高いことを表します。

 

それぞれの等級には基準が定められていて、その基準を満たすように断熱材や開口部などの建材を選ばなければ、等級を満たすことはできません。つまり断熱等級の数字には、壁の中にどのような断熱材が入っているか、窓などの開口部にどのような建材が使われているかといった、完成した建物を外から眺めただけでは分かりにくい部分の内容が反映されているわけです。

 

ご質問への答えとして、私は断熱等級を、新築一戸建てを選ぶうえで確認しておきたい大切な指標のひとつだとお伝えしています。外観や内装の仕上がりは内覧の際にご自身の目で確かめられますが、断熱性能は見た目から判断することが難しく、だからといって後から壁を開けて確認するわけにもいきません。等級という共通の物差しで確かめておくことに意味があるのは、そうした理由からです。

 

2022年に等級5から7が新設された背景にあるカーボンニュートラル


断熱等級には、1980年にエネルギーの使用の合理化等に関する法律、いわゆる省エネ法によって定められた省エネ基準が反映されています。この基準は制定以降も改正が重ねられてきており、近年では品確法において、2022年4月に等級5が、同じ年の10月には等級6と等級7が新たに設けられました。

 

1980年の省エネ基準から数えると40年以上にわたって基準の見直しが続けられてきたことになり、断熱性能に求められる水準は時代とともに段階的に引き上げられてきたといえます。

 

こうした見直しは、気候変動問題の解決に向けて世界規模で取り組まれている2050年カーボンニュートラルという目標を実現するための取り組みのひとつに位置づけられるものです。住宅の断熱性能を上げることで暮らしの中で排出される炭素の量を減らし、将来的な脱炭素化を目指すという考え方が背景にあります。

 

住まいの断熱性能は、一軒ごとの住み心地の問題であると同時に、国全体で進められている脱炭素化の流れともつながっています。わずか半年ほどの間に上位の等級が相次いで設けられた経緯を知っておくと、物件資料に記された等級の数字が7段階の中でどのような位置づけにあるのかを、落ち着いて読み取りやすくなるはずです。

 

あわせて知っておきたい「ZEH水準」という言葉


断熱等級と並んで、物件の資料や説明の中でZEH水準という言葉を目にすることもあるかと思います。ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅を指します。

 

具体的には、住宅の断熱性能を高め、高効率な設備システムを導入することで大幅な省エネルギーを実現したうえで、再生可能エネルギーなどを取り入れていく住宅のことです。そしてZEH水準とは、ZEH住宅とするために必要な、外皮の断熱性能と一次エネルギー消費量の基準を定めたものをいいます。

 

ここで注目していただきたいのは、ZEHの考え方においても、設備や再生可能エネルギーより先に、まず土台に置かれているのが住宅の断熱性能だという点です。

 

私は大手注文住宅メーカーで営業職として働くなかで建物についての知識を深めてきましたが、設備や仕様のお話をする際にも、建物そのものの性能がどうなっているかを確かめておくことが住まい選びの出発点になると感じてきました。断熱等級とZEH水準は、その性能を確かめるための手がかりとして、あわせて押さえておいていただきたい言葉です。

 

断熱等級を確かめないままの購入は避けてください


2021年の国土交通省の資料によると、日本の既存住宅のうち約90%が断熱等級3以下といわれています。私たちが暮らしている住まいの多くは、現在設けられている上位の等級から見ると、断熱性能の面で十分とはいえない状態にあるということになります。

 

十分な断熱対策がなされていない住宅は、電気代や住み心地だけでなく、住む方の健康や建物の劣化にも影響を及ぼす恐れがあります。住まいは購入してから長い年月を過ごす場所であり、こうした影響は毎月の電気代や季節ごとの過ごしやすさといった形で、日々の暮らしの中に少しずつ表れてくるものですから、購入前の段階で断熱等級を確認しておくことをおすすめしています。

 

とくに中古物件を購入する場合は、事前に断熱等級を確認したうえで、リフォームが必要かどうかを検討するようにしてください。価格や立地が希望に合っていても、断熱性能を確かめずに購入を決めてしまうと、住み始めてから想定していなかった工事を検討することになりかねません。

 

物件を気に入ったときほど気持ちが先に進みやすいものですが、契約の前にひと呼吸おいて、性能の面も確かめておくことが大切です。

 

断熱等級は新築だけの話ではありません


断熱等級について、新築を選ぶときにだけ気にすればよい項目だと考えるのは早計です。先ほどお伝えしたように、中古物件では断熱等級の確認がリフォームの要不要を判断する材料になりますし、既存住宅の多くが等級3以下とされている現状を踏まえると、住まいを選ぶあらゆる場面で目を向けておきたい項目だといえます。

 

また、等級5から7が設けられたのは2022年のことです。それ以前に住まいの情報を集めていた方は、当時の感覚のまま数字を見てしまう可能性もあります。物件資料で断熱等級を目にしたときには、数字そのものだけでなく、現在の7段階の中でその物件がどの位置にあるのかを改めて確かめていただくと、ほかの物件と比べる際にも判断しやすくなります。

 

物件探しの際、私は丁寧なヒアリングを重ねてお客さまが本当に求めている条件を整理し、納得いただける物件に絞ってご提案することを心掛けています。断熱性能もそうした条件のひとつとして一緒に整理していきますし、お引き渡し後の住宅ローンの借り換えや買い替えといったご相談にも応じていますので、住まいとお金の両面から長くお付き合いいただける関係でありたいと思います。

 

まとめ


断熱等級は、目に見えにくい住まいの断熱性能を確かめるための大切な物差しであり、新築でも中古でも購入前に確認しておくことが、長く安心して暮らせる住まい選びにつながると私は考えています。

 

こんな方はご相談ください

・新築一戸建ての購入を検討していて、断熱等級の見方を知りたい方

・中古物件の購入にあたり、断熱性能やリフォームの必要性が気になっている方

・住まいの性能と住宅ローンなどの資金計画をあわせて相談したい方

 

お問い合わせはこちら

https://onefinitas-estate.jp/contact/

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